自己分析の方法:ステップ3:「自己PR」(テンプレ付き)

第1章│自己分析

【ポイント】

  • 自己PRはステップ2【要素分解】で得たキーワードを雛形に落とし込むだけ。
  • 自己PRに記載する強みと弱みは、必ず根拠が説明出来るか確認する。

 自己分析の方法:ステップ2:「要素分解」2までの作業を通じて、1つの業務役割から様々な要素を抽出することが出来たと思います。本記事ではこれまでのエッセンスを統合し、書類選考や面接で使える自己PR文を作成します。

ステップ3【自己PR】

自己PRのためのテンプレート 

 自己PRは、テンプレートがあります。ステップ2「要素分解」の作業がしっかりとできていれば、各エッセンスをテンプレートに当てはめていくだけなので、そこまで難しい作業ではないと思います。

自己PRテンプレート
・私は、「業務」において「役割」を担いました(/担った経験があります)。
・強みは、「強み」であり、また「価値観(好きなこと)」に達成感を感じます。
・他方、「弱み」は弱みであると考えており、改善を心掛けて参りたいと思います。
・(これまでの経験で培った強みを活かしつつ、また、新たな学びやリスキリングを通じて貴社の成長に貢献する所存です)。

4ポツ目のカッコ部分については、必要に応じて活用して下さい。例えば、転職エージェントとの面談では不要な部分ですが、実際に企業に応募する場合には一言添える形が望ましいと思います。

相当箇所のハイライト

 では、実際に口上書作成の例を基に、テンプレートを使って自己PR文を完成させてみましょう。前回までの作業で、以下のエッセンスを抽出できています。まずは、テンプレートの黒太字に相当する箇所をハイライトしてみましょう。ハイライトすべき点は、「業務」・「役割」・「強み」・「価値観(好きなこと)」・「弱み」の5つです。

【経験:どんな業務に携わったのか?】
  文書作成(口上書)業務。口上書を通じて先方政府に公的メッセージを正確に伝える業務。
【役割:どんな役割を担ったのか?】
  現地職員によって作成された口上書案のチェック(文法・数字の正確性)を担った。
【成果(困難・工夫・結果)】
  現地職員が作成する口上書案はしばしば文法や数字に誤りあり、注意しても雛形を作っても一向に改善しなかった。→チェックリストを作成し提出前の見直しを促すとともに、チェックリストに署名させることで責任の所在を明確にした。→ミスが減少し手直しの時間が削減されたほか、注意回数が減ったことで職員のモチベーションアップにも繋がった。
【強み・弱み】
忍耐力・行動力めげずに次々と打ち手を考え実行できる
  想像力  :成果を考えずにアクションしてしまう点
【価値観】
好き:徐々にミスが減ることを目の当たりにして達成感を感じた。
嫌い:チェックリストにより現地職員の作業工程が増えたため、提出までに時間要するようになったことはストレスだった。

テンプレートへの落とし込み

 最後に、ハイライトした部分をテンプレートに落とし込んでいきます。

注意点としては、テンプレートはあくまでも大まかな枠組みであるということです。「要素分解」の書きぶりをそのままコピペしてしまうと、おかしな日本語になってしまう可能性もあるため、要すれば修辞上の加筆修正が必要になる点には注意しましょう。

自己PR
私は、(経験)口上書という公的文書作成において、(役割)現地職員が作成したドラフトの最終チェックを担いました。強みは、(強み)めげずに次々と打ち手を考え実行できる忍耐力であり、また、(価値観)困難に対する自身の工夫によって成果を得られることに達成感を感じます。他方、(弱み)想像力に乏しい点は弱みであると考えており、改善を心掛けて参りたいと思います。
(経験)・(役割)等の部分はご自身で削除してください。

如何でしょうか。単に口上書作成という業務でも、一度「要素分解」を行ってから「自己PR」に書き換える非常に深みのあるPR文を作ることができます。ここまで作成することが出来たら、最後に「強み弱み」の根拠を説明できるかチェックを行います。この作業は実際の面接対策にもなるため、漏れなく行うようにしてください。

根拠の説明

 先ほどの自己PRで、「強み弱み」を以下のように書きました。

強み:めげずに次々と打ち手を考え実行できる忍耐力

弱み:想像力に乏しい点

ここで、あなたは面接官にこう聞かれたとします。

「あなたの強みを裏付けるエピソードはありますか?」

あなたの弱みは’想像力に乏しい点’ということですが、具体的に教えて下さい。

もし、皆さんがパっと回答振りを思いつくことができれば、自己分析のステップを十分に理解出来ている証拠だと言えます。自己分析の方法:ステップ2:「要素分解」2で説明したように、強みは困難と工夫に潜んでおり、弱みは困難に眠っています。

したがって強みの裏付けエピソードを聞かれた場合には「現地職員が作成する口上書案はしばしば文法や数字に誤りあり、注意しても雛形を作っても一向に改善しませんでした。しかし、私は諦めずに、今度はチェックリストという方法で改善を模索した結果、ミスが減少したほか、注意回数が減り現地職員のモチベーションアップにも繋がりました。」と回答できます。

また、弱みの場合には「最初は、注意や雛形というアプローチを図ったものの、改善が見られませんでした。打ち手を実行する前に、そこから得られる結果をより深く想像出来れば、無駄な作業をする必要はなかったかもしれません。」と回答できます。

もちろん、ここでは一言一句同じである必要はありません。要点として、自己PRの「強み弱み」の具体例を聞かれた際に、「要素分解」で導出エッセンスをベースを用いて回答することが出来れば、しっかりと根拠の説明が出来ていることになります。

自己PR文が完成した際には、是非、強みと弱みの部分に関して「そう言える根拠は?」と自分自身に問いかけを行い、ロジックの確認を行うようにしましょう。

なお、このような考え方はロジカルシンキングで言う「So What(だから何)⇔「Why So(なぜそうなの)」の関係にあります。面接対策のみならず、普段の業務でも活用できる思考法です。興味があれば、以下の書物に目を通してみることをおススメします。

まとめ

  今回の記事では以下の手順で作業を行いました。

1 自己PRのテンプレートに相当する箇所を「要素分解」から抜き出す。

2 自己PR文を完成させる。

3 自己PRの「強み弱み」の根拠説明を「要素分解」に照らし合わせてチェックする。

次のステップでは、「スキル」を導出します。このステップで自己分析は完了です。あと一息なので頑張っていきましょう。

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プロフィール
この記事を書いた人
お局人事

在外公館派遣員を経験後、外務省にて7年勤務する(専門職)。その後、日系大手に転職。本社の人事業務に5年間従事した後、出向先の地方中小企業にて人事部長を務める。現在は米系外資に転職し、アジア地域リクルーティングダイレクターを担う。

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