自己分析の方法:ステップ1:「振り返り」

第1章│自己分析

【ポイント】

  • 抽象的な「派遣員の仕事」をより具体的な「業務」に分解する。
  • 【振り返り】は、リストアップ → 仕事の役割 → 自分の役割の順番で考える。

 ここから、自力で自己分析を行う際の手順について説明します。本ステップは、皆さん自身がイニシアティブを取って、在外公館派遣員としての仕事を振り返りながら考えてみてください。

ステップ1【振り返り】

「在外公館派遣員の仕事」と言っても、赴任国や公館の規模によって担う仕事は千差万別です。また、対外的な人に説明する際に、例えば「ホテルの受付業務をやっていました」と言えばなんとなく想像がつきますが、「派遣員」というのはそれだけだと理解してもらえないことが殆どです。

このステップでは、抽象的な「派遣員の仕事」をより具体的な「業務」に分解することを目的としています。手順は「リストアップ」、「仕事の役割」、「自分の役割」です。

リストアップ

先ず、業務の大小や重要度を気にせず、思い出せる限り在外公館派遣員としてどんな業務を担ったのかを書き出しましょう。ただし、誇張してやっていない仕事をリストに含めると、後の分析が難しくなります。また、短期間で行った特殊な業務(例: 大型ロジ)のみを書くと、自分の役割が限定的になってしまうため、日常業務に目を向けることが大切です。

参考例:派遣員の主な業務

業務具体的な内容
文書作成査証申請にかかる口上書、職員募集にかかる告知案、手引き等の作成
会計補助システムへのデータ入力、現地職員の超勤計算
便宜供与航空券/宿舎手配、借上げ車手配、配車計画、空港での受け入れ
現地職員管理超勤・欠勤管理
配車管理日々の配車計画、メンテナンス
調達に際する見積取得業者との連絡調整、業者探し
購入品の検品検収や在庫管理物品確認、在庫棚卸
領事関連業務査証申請受付窓口、査証作成支援、証明業務、邦人保護等

なお、【必読】自己分析に着手するタイミングで説明したように、自己分析は実施するタイミングがあります。

求人票→自己分析の場合:応募するポジションに関連するものだけに絞っても構いません。

自己分析から先に着手する場合:すべてを分析することは労力がかかるため、3~5個、性格の異なる業務(会計、職員管理、便宜供与等)を網羅的にリストアップするといいでしょう。

仕事の役割

 リストアップすることが出来たら、選択した業務がどのような役割をもっているのかを考えます。言い換えれば、その業務の意義とも言えるでしょうか。「●●をし、▲▲をする」という雛形で考えると簡単です。例えば、上記5つの業務で考えると以下の通りです。

参考例:各業務の役割

  • 文書作成(口上書の作成):
    口上書を通じて、先方政府に対して公的メッセージを正確に伝える役割を担っている。
  • 会計補助:
    予算管理を担う会計担当者を補佐し、業務負担軽減や事故防止に寄与する。
  • 便宜供与:
    出張者の効率的な活動を支援し、現地での外交活動を円滑に進める役割を担う。
  • 現地職員管理:
    現地スタッフが安心して働ける環境を整え、組織全体のパフォーマンスを向上させる。
  • 配車管理:
    配車ニーズを整理調整し、車両運用を最適化する。

自分の役割

 最後に、各業務の中で自分がどのような役割を果たしていたかを具体的に考えます。注意すべきポイントとして、ここでは実際にやっている仕事のみを抜き出すということです。

文書作成を例に挙げてみましょう。口上書の作成は、あなたが独力でやっていますか?もしくは、雛型をベースに現地職員がたたき台を作成してくれますか?

確かに、外交文書を全くのたたき台無しでサラッとかける。これはカッコいいことかもしれません。しかし、【必読】自己分析は誰のためにするのかで説明したように、自己分析は懐疑心を持っている企業人事の警戒を解く目的があり、事実とのズレは絶対に避けるべきことです。したがって、ここでは真に携わった業務だけを抜き出すようにしましょう。

例:文書作成(口上書)業務

  • 自分の役割:
    • 口上書作成の要否を判断
    • 現地職員への作成指示出し
    • 現地職員が作成した素案の確認(文法・数字の正確性チェック)
    • 決裁付議および発出手続きのフォローアップ

自分の役割を導出することが出来たら、自身が担った業務の中で最も難易度が高い/チャレンジングだった/ストレスだった役割にフォーカスします。

文書作成の例は私の実体験になりますが、私にとっては「現地職員が作成した文書の確認(文法・数字の正確性チェック)」が最もチャレンジングでしたので、以降はこの業務をベースに考えていきます。

まとめ

 ここまでが「振り返り」のステップになります。

まとめると、以下の手順で作業を行いました。

1 業務のリストアップを行う。

2 業務の持つ役割を「●●をし、▲▲をする」という雛形で考える。

3 その業務の中での自分の役割を考える。

こうすることで、「振り返り」の目的である「抽象的な派遣員の仕事をより具体的な業務に分解すること」が可能となりました。次の記事では、自己分析のメインパートと言える「要因分解」を行っていきます。そのためには、本記事の作業が前提となるため、しっかりとポイントを押さえるようにして下さい。

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プロフィール
この記事を書いた人
お局人事

在外公館派遣員を経験後、外務省にて7年勤務する(専門職)。その後、日系大手に転職。本社の人事業務に5年間従事した後、出向先の地方中小企業にて人事部長を務める。現在は米系外資に転職し、アジア地域リクルーティングダイレクターを担う。

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