【必読】エージェントのカモ!?登録前のアレを忘れないで!

第3章│転職戦略

ポイント

  • 転職エージェントに登録するまえに「意思決定の軸」を自ら設ける。
  • 転職エージェントは「仲介屋」、求職者は「商品」。焦る求職者はカモ商品。
  • 転職エージェントに人生の選択を委ねないことが重要。

転職活動に取り組む上で、転職エージェントの存在は心強いものです。しかし、誤った理解のままにエージェント登録をすると、金儲けのためのカモ候補として扱われてしまうかもしれません。

本記事では、転職エージェント登録前に理解すべきことについて説明します。

結論:意思決定の軸を決める

 なにも難しいことはありません。転職エージェント登録前にすべきこと、それはたった1つ。

意思決定の軸を決める

「なんだそんなことか・・・」と思いましたか?

実際、大したことではありません。しかし、だからこそ多くの人が見落とし、そしていつの間にか転職エージェントにとって都合のいい求職者になってしまっているのです。

転職エージェントのビジネスモデル

 一般的に、転職エージェントは無料で利用することができます。では、エージェントのお給料や所属する会社の収益はどのように発生しているのでしょうか。

転職エージェントのビジネスモデル。それはズバリ仲介手数料です。人材を探している企業に求職者(皆さんのような立場の人たち)を紹介し、求職者が無事にその企業に入社し定着。すると「いい人材を紹介してくれて有難う」という名目で、求人企業からエージェント企業に対して御礼賃=仲介手数料が振り込まれるのです。

つまり、転職エージェントは如何にして多くの人材を企業に送り込むことができるか?これが収益発生の条件になります。

基本的に転職エージェントは人柄が良く、親身になって転職活動をサポートしてくれます。しかし、彼/彼女らもまた企業の勤め人であり、上記のようなビジネスモデルに基づいて転職サポートを提供しています。人材を内定させ、課せられたノルマ(金額や人数等)を達成できなければ、今度は彼ら/彼女らが求職者という立場になってしまうでしょう。

言い換えれば、転職エージェントは「仲介屋」であり、求職者の皆さんは「商品」なのです。

求職者の焦りは蜜の味

 私は、某企業のリクルーティングダイレクターを務めています。この経験から間違いなく言えること。それは「求職者は多少なりとも焦っている」ということです。

・すでに退職済みだ。生活があるから早く仕事を見つけなければいけない。             

・任期が近づいてきたから、次の仕事はどうしよう。                       

・もうこの会社ではやっていけない、病む前に転職しよう。                     

・周りはどんどん転職している、置いていかれないようにしなくては。

「仲介屋」の転職エージェントによって、こういった求職者はカモ商品です。多少ブラックでも「弊社経由だと内定率が高いですよ」と餌を撒いてみたり、求職者の志向とズレているのに「この企業は人事部長と直接繋がっているので、特別に推薦させて下さい」とか・・・。

そしてこの時、内定を急ぐ求職者はこう思います。

「とりあえず受けてみて、内定出たらその時考えればいいや」

しかし、蓋を開けてみるとどうでしょう?他の選考は全滅で、内定はエージェント推薦企業のみ。お祈りの連続で打ちひしがれた求職者は妥協し、志向とズレているのに「きっとやっていける」と自己解釈をしてまんまと入社してしまうのです。

意思決定の軸を決める

 意思決定の軸を決めることは、転職活動を自分でコントロールすることとも言えます。

・「〇月まで転職活動をやる」

・「年収○○万円以上であれば業種問わずに応募する」

・「エージェント推薦企業には手を出さない」

・「○○業界は受けない」

例えば、○月までは転職活動を頑張ろうと思っていれば、途中でエージェント推薦の企業から内定が出ても安易に飛びつくことはなく、残された時間で引き続き他企業の選考を考えることが可能です。

もしくは、どうしてもサービス業界には行きたくなく、どんな条件であろうと同業界は除外することを決心していれば、余計なことを考える必要はなくなります。

業種を問わず高年収を狙うのであれば、年収○○円以上は絶対に受けると決めてもいいでしょう。

私は、決して転職エージェント否定派というわけでありません。むしろ、転職をスムーズに進めて行くためには、エージェントを積極的に活用することをおススメします。しかし、上述のとおり転職エージェントもまた一介のサラリーマンであり、あの手この手を使って内定に誘導しようとします。

転職活動は、皆さんの人生を決める大切なターニングポイントです。たまたま担当になったエージェントにこれからの人生を大きな影響を及ぼす「選択」を委ねてはいけません。だからこそ、

意思決定の軸を決める

が何よりも重要になってきます。

設けるルールは何でも構いません。〇月というように時間で考えてもいいですし、年収や業界をベースにしてもいいと思います。また、一度設けたルールを途中で変更しても結構です。大事なことは、常に何かしらのルールを自分の中で設けて、不用意に流されることを避けるということです。

まとめ

 もし、これから転職活動に臨むタイミングにあるならば、是非、上記のことを心掛けてみてください。また、既に転職エージェントに登録をしてしまっていても、ルール作りは今日から実践することが可能です。

転職活動はエージェントのためではなくて、皆さんの人生のために行うものです。主役である皆さん自身がしっかりとコントロールを握り、自ら意思決定を行っていきましょう。

プロフィール
この記事を書いた人
お局人事

在外公館派遣員を経験後、外務省にて7年勤務する(専門職)。その後、日系大手に転職。本社の人事業務に5年間従事した後、出向先の地方中小企業にて人事部長を務める。現在は米系外資に転職し、アジア地域リクルーティングダイレクターを担う。

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