【自己理解】在外公館派遣員が陥るキャリア迷子の正体

第3章│転職戦略

(株式会社one-recollectionおよびポジウィル株式会社と提携を結んでおり、本記事は各社の商品紹介を含みます。)

【ポイント】

  • 何をしたらいいのか分からなくなるのは【麻痺】【対立】【焦り】【自惚れ】が原因
  • 先ずはエラーの存在を認識する
  • 中長期的なキャリアプランや意思決定の軸を設けることも有効な解決手段

 任期を迎える在外公館派遣員は、しばしばその後のキャリア選択に悩む人が多いのも事実です。大抵の人は、こんなふうに悩んでいるのではないでしょうか。

海外で働いたり言語を使うことはしたい。

でも、派遣員後に何をやることが正解なのか分からない。

本記事では、自己理解を促進するための手助けとして、なぜこのような悩みに直面するのかを解説します。

在外公館派遣員が抱える4つのエラー

 在外公館派遣員という経験を有するにも関わらず、やりたいことが思いつかない理由。それは【麻痺】【対立】【焦り】【自惚れ】の4つに起因すると考えられます。

多様な選択肢による麻痺

【麻痺】:意思決定が困難になる

 「選択のパラドックス」とも言えます。選択のパラドックス(The Paradox of Choice)とは、「選択肢が多すぎると、人は自由を感じるどころか、むしろストレスや不安を感じる」という心理的現象です。

派遣員としての経験や語学力があると、進路の選択肢が大きく広がります。一方で、選択肢が増えるほど、その中から「何を選ぶべきか」が分からなくなり、結果として「何が正解なのか」分からない状態に陥ってしまします。

社会的期待と自己価値観の対立

【対立】: 意思決定が困難になる

 派遣員としての経験は、家族やパートナーといった周囲からも評価されることが多いと思います。一方で、そういった評価は「次も立派な仕事に就くべきだ」というプレッシャーになることもあります。

また、派遣員は2年という任期に縛られるものです。人によっては親を安心させるため、パートナーと遠距離恋愛しないために「次はちゃんとした仕事を選ぶべきだ」というケースも考えられます。

しかし、「立派な仕事」や「ちゃんとした仕事」というのは非常に漠然としたものです。また、人によっては就職ではなくて大学院への進学や、日本ではなくて引き続き海外に住みたいと思うこともあるでしょう。 

「周囲の期待」と「自分の想い」に大きな隔たりがあると意思決定が困難になり、結果、何がしたいのか分からないという状況に陥ってしまう可能性があります。

先延ばしにできない状況による焦り

【焦り】:誤った行動の誘発

 派遣員終了後、次の進路を遅かれ早かれ決める必要があるという状況は、「焦り」として心にのしかかってきます。焦りによる障害については【必読】エージェントのカモ!?登録前のアレを忘れないで!でも説明をしました。

焦っている転職者に共通して言えること。それは、考えずに先走ってしまうことです。

  • 闇雲に転職エージェントに登録する。
  • 自己分析を疎かにしてしまう。
  • 軸を持たずどんどん応募する。

その瞬間だけは、物事が前に進んでいると感じるかもしれません。しかし、結局、転職エージェントからの求人紹介はイマイチであったり、選考が上手く進まなかったりし、徐々に「この職種職業は自分にあっていないのではないか?」と思うようになります。

この結果「結局、自分に合った仕事はなんなのだろうか・・・」という状況に陥ってしまいます。

派遣員経験を過信する自惚れ

【自惚れ】:現実的ではない妥協点

 派遣員として海外での勤務経験や大使館での業務に従事することは、特別な体験であり誇れるものです。しかし、派遣員としての経験に対して「自分は特別」「どんな仕事でも通用する」という過信があると、自分にふさわしいと思う仕事の幅が狭まります。

適切なレベル感や方向性で選択を狭めることが出来ればいいのですが、このケースでは大抵、派遣員の経験だけでは中々難しいようなハイレベルポストばかりにチェレンジをしてしまいます。言い換えると、給与や働き方の妥協点があまりにも高くなりすぎるのです。

当然、選考は上手く進まず、次第に「自分に合った仕事とは?正解はなんだろうか??」と考えるようになってしまいます。

連鎖する4つの障害

 これら4つの問題は単独で存在するだけでなく、互いに影響し合い、以下のような悪循環を形成する場合もあります。

  • 「多様な選択肢による麻痺」によって選択を悩む。その間にも、「社会的期待と自己価値観の対立」が進行し、進路選択の迷いや不安がさらに深まる。
  • 選択を模索したり決断を先延ばしたりしている間にも、派遣員の任期は刻々と迫りつつある。「先延ばしできない状況による焦り」が増大する。焦りによって短格的で安易な選択を優先し、不適切な決断を下すリスクが高まる。
  • 一度は決断をするが、「派遣員経験を過信する自惚れ」から 自分にはもっと良い選択肢があるのでは?と思い、より良いオプションを模索する。
  • 新たなオプションの浮上で、「多様な選択肢による麻痺」状態に陥る。悪循環が形成され、結局、何が正解なのか分からなくなる。

解決策

 必ずしも、全員が全員同じような問題を抱えているとは限りません。例えば、家族から特段のプレッシャーがなくパートナーがいないのであれば、進路の選択は自由に行うことが出来るでしょう。しかし、「任期」は誰しも平等であり、また「選択のパラドックス」も多くの人が直面しがちな問題です。

人によって状況や程度は異なるものの、解決策としては3つあります。

エラーを認識する

まずは、冒頭で説明した4つのエラーは誰しもに起こり得るということを認識しておくことが重要です。

例えば、「派遣員経験を過信する自惚れ」を知っていれば、自身の襟を正し地に足のついた転職活動に臨めるでしょう。また、選択をする上では、果たして周囲の期待に応えるためなのか?または自分の価値観を優先させるものなのか?その違いを意識するだけでも、全く異なる解を得ることが出来ます。

客観的な視点に立つ意味でも、エラーを認識することは効果的であるため、まずはここから始めてみるようにしましょう。

意思決定の軸を決める

【必読】エージェントのカモ!?登録前のアレを忘れないで!で説明したように、自身の中で明確なタイムラインや業界を決めておくことが出来れば、闇雲な転職活動を避けることが出来ます。

任期が迫っていても、はじめから「○○月までは転職活動をする」と決めていれば、その期間内で転職活動に励むことが出来ます。また、「○○業界は応募しない」と決めていれば、周りの期待に流されずに進めていくことが出来るでしょう。

キャリアプランを明確に定める

「意思決定の軸を決める」の延長として、キャリアプランを明確に定めることも有効な解決手段です。アンカリングとも言います。特に、中長期的なプランを有していれば、今すべきことを逆算して考えることできるようになるため、より意思決定の確度を高めることが出来るでしょう。

例えば、以下で挙げるようなサービスを利用すれば、プロのアドバイスを受けながらなキャリアプランを構築していくことが出来ます。

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まとめ

 今回の記事では、派遣員がしばしば直面しがちなキャリア迷子の原因について掘り下げました。多くの派遣員が直面するこれらの悩みは、複雑な心理的要因によるものです。

簡単に解決することは出来ません。しかし、その原因を知り、もしかしたら自分も当てはまるのでは?と考えるだけでも大きな違いを生むでしょう。

悩むことは当然であり、実は多くの人が直面している問題です。本記事では3つの解決策を提示しました。是非、自分自身にあった方法を実践し、より戦略的で効果的な転職活動にしてください!

プロフィール
この記事を書いた人
お局人事

在外公館派遣員を経験後、外務省にて7年勤務する(専門職)。その後、日系大手に転職。本社の人事業務に5年間従事した後、出向先の地方中小企業にて人事部長を務める。現在は米系外資に転職し、アジア地域リクルーティングダイレクターを担う。

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